自治体への飛び込み営業は逆効果?メリット・デメリットと他の営業方法を解説

自治体への飛び込み営業とは

自治体への飛び込み営業は「本当に効果があるのか」「時間や労力の無駄にならないか」と悩んでいる営業担当者の方はいませんか?

この記事では、自治体営業における飛び込み営業のメリットとデメリットを整理し、テレアポや紹介営業など、より効率的なアプローチ方法を具体的に解説します。自治体との良好な関係構築に役立つ、実践的なノウハウをお届けできれば幸いです。

目次

飛び込み営業とは?自治体と民間企業への営業の違いは?

飛び込み営業とは

飛び込み営業とは、事前のアポイントなしに、直接訪問して商談を試みる営業手法です。

顧客との接点を直接持つことができるため、商品の魅力を伝えやすく、顧客の反応を肌で感じられるというメリットがあります。しかし、営業担当者にとっては精神的な負担が大きく、営業効率も低いと言われることもあります。

自治体営業の特性と民間企業との違い

自治体営業と民間営業の根本的な違いは、組織の目的と意思決定プロセスにあります。自治体は地域住民の生活向上を最優先とする公共サービス機関であり、利益を追求することを目的としていない点が、民間企業との大きな違いです。

民間企業ではスピーディーな意思決定ができますが、自治体では予算編成サイクルに沿った年間計画が基本です。一般的に、10月に次年度予算要求が始まり、議会承認を経て3月に確定するため、商談開始から契約まで半年以上かかることがあります

民間企業との大きな違いは、価格競争だけでなく「地域への社会的価値」が評価基準になる点です。自治体営業では、自社の製品やサービスが、地域課題の解決にどのように貢献できるかを具体的に示すことが重要になります。

■自治体営業と民間営業との違い
地域の課題解決:利益追求ではなく地域住民の生活向上を優先して意思決定される
公共性の重視:入札制度を通じて公平性を確保する必要がある
説明責任:議会や住民への説明資料作成が求められる
長期視点:単年度契約よりも、持続可能な地域課題の解決が重視される

自治体営業への飛び込み営業のデメリット

担当者が捕まらず有益な商談にならないリスクがある

自治体への飛び込み営業では、担当者と直接話せることを期待しますが、実際には適切な担当者に辿り着けないケースが多く見られます。自治体の組織は縦割り構造で、部署間の連携が複雑なため、初めて訪問する営業担当者が正確な窓口を見つけるのは簡単ではありません。例えば教育関連の案件でも、学校施設の整備とICT導入では担当課が異なるため、訪問先を間違えると再訪問が必要になることもあります。

突然の訪問は、担当者の業務を中断させてしまうため、たとえ担当者に会えたとしても、短時間で終わってしまうことが多いです。このような表面的な商談が続くと、提案内容が正確に伝わらないだけでなく、「押し売り」というネガティブな印象を与えてしまうリスクもあります。

移動距離が遠く営業効率が著しく悪くなる

自治体への飛び込み営業における大きな課題は、自治体が地理的に分散しているため、移動効率が悪くなってしまうことです。隣接する自治体間でも移動に30分以上かかることが多く、1日に訪問できる自治体の数が限られてしまいます。

特に地方自治体を対象とする場合、新幹線や飛行機を利用する必要があるため、1件あたりの営業コストが数万円単位になることもあります。時間と費用をかけて訪問しても、担当者が不在だった場合、その日の投資が無駄になってしまうリスクも考慮しなければなりません。

ニーズがあれば電話商談の約束が取れる&オンライン会議を利用可能

自治体への営業活動において、事前にニーズが明確になっている場合は、電話やオンライン会議を活用することで、効率的な商談が可能です。自治体の担当者も具体的な課題を抱えている場合、電話での初期接触を通して問題意識を共有し、商談の約束を取り付けやすい傾向があります。

オンライン会議を提案する際は、担当者のスケジュールに合わせた時間設定を心がけましょう。商談時にはカメラをオンにすることを基本とし、自治体側の課題を丁寧にヒアリングする姿勢を見せることで、信頼関係を築きやすくなります。

効果を高めるポイントとして、事前に自治体の公開資料(総合計画や予算書)を分析し、具体的な数値目標や予算項目と関連付けた提案資料を作成すると良いでしょう。

移動時間の削減:遠方の自治体担当者と、対面で会う必要がなくなり、1日に複数件のアポイントが可能になる
経費の最適化:交通費や宿泊費が不要になり、営業コストを大幅に削減できる
資料の事前共有:商談前に資料を送付することで、質の高い議論が可能になる

自治体営業への飛び込み営業のメリット

対面での挨拶を通じて接点をもつことができる

自治体への飛び込み営業で、対面で挨拶を行う最大のメリットは、直接コミュニケーションを取ることで、信頼関係の基盤を築けるという点です。実際に会って名刺を交換することで、電話やメールだけでは伝わりにくい熱意や人柄を伝えることができます。

自治体の職員は「顔の見える関係」を重視する傾向があるため、一度対面で接点を持っておくと、後日資料を送付したり、アポイントを取ったりする際に、スムーズに進むことがあります。

ただし効果を最大限に引き出すためには、事前に自治体の基本計画や予算情報を把握した上で訪問することが大切です。いきなり商品説明を始めるのではなく、「情報提供」という姿勢を心がけ、自然な会話の流れで自社の強みを伝えるようにしましょう。

資料を渡せば部局課内で回覧してくれる可能性がある

自治体への飛び込み営業で資料を渡すことの大きなメリットは、提出した資料が部署内で回覧される可能性があることです。自治体では、関連部署間で日常的に情報共有が行われるため、担当者に直接渡した資料が、自然と部局内で共有されるケースが見られます。

■資料が回覧されるメリット
・直接会えなかった課長クラスの決裁者に、情報が届く可能性がある
関連部署の担当者が資料を見ることで、新たなニーズの発掘につながる
・すでに取引のある企業の場合、比較検討の材料として扱われる機会が増える

特に自治体の職員は、業務改善に役立つ情報を積極的に共有する傾向があります。良好な信頼関係が築けている場合、担当者が資料にコメントを書き添えて回覧してくれることもあり、紹介営業のような効果が期待できるケースも報告されています。

より効果を高めるためには、A4用紙1枚にまとめた、簡潔な資料を作成することがポイントです。具体的な数値データや、他自治体での導入事例などを盛り込み、部署間で回覧しやすい形式にすると良いでしょう。

自治体へ飛び込み営業する場合のコツ・注意点

訪問前にはリサーチを徹底し、地域課題を把握した上で臨むことが大切

自治体への飛び込み営業を成功させるためには、事前の情報収集が最も重要です。自治体の公式サイトや広報誌、総合計画書などを確認することで、その地域が抱える特有の課題や重点政策を把握することができます。例えば、防災対策に力を入れている自治体であれば、関連部署の予算配分や事業計画を事前に分析しておくことで、具体的なニーズに合った提案が可能になります。

訪問予定の部署の業務範囲を明確にしておくことも重要です。福祉課と産業振興課では、求められるソリューションが異なるため、自治体の組織図や議会議事録などを参照し、適切な担当者層を特定しておく必要があります。

総合計画書:自治体の5カ年計画や基本構想から、中長期的な課題を把握する
議会議事録:過去の質疑応答から、現場の課題意識を把握する
他自治体の事例:類似規模の自治体での成功事例を、解決策の根拠として提示する

これらの準備をすることで「私たちの課題をよく理解してくれている」と担当者に感じてもらいやすくなります。ただし、あくまで公開情報を基にした客観的な事実を積み重ねることが大切で、推測や憶測に基づく提案は逆効果になる可能性があるので注意しましょう。

飛び込み営業で効果を発揮しやすい自治体とは

小規模自治体や地方都市

職員数が少なく、組織がフラットな傾向があるため、担当者との距離が近く、意思決定が比較的スピーディーに進むことが多いです。特に人口10万人未満の自治体では、対面でのコミュニケーションを重視する傾向が強く、突然の訪問でも柔軟に対応してくれる可能性があります。

緊急性の高い課題を抱える部署

防災、福祉、子育て支援など、時間的な制約がある分野を担当する部署では、即効性のある解決策を求めていることが多く、直接的な提案が受け入れられやすい傾向があります。特に災害からの復興に取り組んでいる自治体や、待機児童問題を抱える地域では、現場のニーズが明確になっているため、具体的なソリューションを提示しやすいというメリットがあります。

飛び込み営業以外の自治体への営業手法

テレアポ

自治体は「課題解決のための情報収集」を積極的に行う組織であるため、地域課題に合致しているテーマであればテレアポで商談設定に繋げることが可能です。自治体の課題を事前に調査し、電話で具体的なニーズを引き出すことが重要になります。

テレアポは事前に調整ができるため、双方が準備をした状態で商談を進められる点が大きなメリットです。複雑な組織構造を持つ自治体では、適切な担当者に直接コンタクトを取れるため、時間と労力を大幅に節約できます。

取引実績のある企業からの紹介

取引実績のある企業からの紹介は、自治体営業の成功に大きく貢献する可能性があります。地域課題に精通し、自治体からの信頼も厚いパートナーからのご紹介は、具体的な解決策の提示に繋がりやすく、商談への期待感を高めます。より実りある商談とするために、事前のリサーチを綿密に行うことをお勧めします。

展示会

自治体向けの展示会に出展することは、効率的に多くの自治体担当者と接点を持つことができる有効な手段です。特に地方創生EXPOのような専門イベントでは、自治体の関係者が課題解決のヒントを求めて来場することが多いため、商談が進めやすい環境が整っています。

ただし、業界によっては適切な展示会が少ない場合もあるため、出展費用や準備にかかる労力とのバランスを見極める必要があります。展示会を効果的に活用するためには、事前に自治体のニーズを調査した上で、解決策を明確に提示できるような展示構成を心がけましょう。

■展示会の主なメリット
1日で数十の自治体と接触できる:大規模な展示会では、全国の自治体担当者が集まるため、飛び込み営業では実現できない広範囲なネットワークを構築できる
課題解決型の対話ができる:製品のデモンストレーションや事例紹介を通じて、自治体が抱える具体的な課題に対する解決策を提示できる
信頼を獲得する機会になる:公式なイベントへの出展は信用につながり、その後のアポイント取得率が向上する

DM

DMは、自治体営業において担当者の目に留まりやすい手法の一つです。特にFAXや郵送DMは、自治体の回覧文化に合っており、部署内で共有されやすいという特徴があります。

内容を作成する際は、自治体の総合計画や予算編成資料を参照し、具体的な実績と関連付けた提案をすると効果的です。例えば「子育て支援策の充実」を掲げている自治体には、保育施設向けのICTシステムの導入実績を明示しながら紹介します。

まとめ

自治体への営業アプローチでは、飛び込み営業は必ずしも効果的とは言えません。事前アポイントや紹介、セミナー開催などの方法が有効です。自治体の特性や課題をしっかりと理解した上で提案を行うことが重要となります。

公共性、公平性を重視し、無理な営業をするのではなく、信頼関係を構築していくことを目指しましょう。適切な営業手法を選び、長期的な関係を築くことが、自治体ビジネスでの成功につながります。

チームに共有しよう!

執筆者

Gpath(ジーパス)は官公庁・地方自治体に特化した営業・マーケティング支援を行っている会社です。入札や補助金、自治体営業に関する知見を活かした専門性の高いコンテンツ制作を行っています。

目次